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シルクとオーガニックコットンの違い

  • シルク生地
    シルク生地
  • オーガニックコットン生地
    オーガニックコットン生地

天然繊維の「シルク」と「オーガニックコットン」は、ともに吸水性、吸湿性に優れ、お肌にやさしい素材として知られています。

動物性繊維と植物性繊維

「シルク」と「コットン」は、どんな生成方法で繊維となるかにちがいがあります。

シルク:蚕の繭からつくられる動物性繊維で、天然のタンパク質繊維
コットン:木綿の「ワタ」から採取される繊維で植物性繊維

なかでも、「オーガニックコットン」は、有機農法で生成された木綿のワタから採取するため、オーガニックと称されます。

  • 蚕の繭
    蚕の繭
  • 木綿のワタ
    木綿のワタ

性質で比較するシルクとオーガニックコットン

「シルク」と「オーガニックコットン」特性の比較
「シルク」と「オーガニックコットン」特性の比較

同じ天然繊維のシルクとオーガニックコットンですが、それぞれの特性は異なります。吸水・吸湿性、放湿性、肌へのやさしさ、お手入れのしやすさ、耐久性、価格(お求めやすさ)の6つの観点からその特徴を詳しく説明します。

1 吸水性・吸湿性

コットンはその繊維の中心部に空気層をもっているため、化学繊維に比べて水分をたくさん含むことができるので、吸水性・吸湿性に優れています。そのためTシャツやタオルなど水分を吸収させるための素材として多様されています。

コットンも様々な繊維の中でかなり吸水性・吸湿性に優れている素材ですが、シルクの吸水性は、なんとコットンの1.3~1.5倍はあるとされています。

つまり、汗を吸収する能力は「シルク」のほうが「オーガニックコットン」よりも高いと言えます。

また、吸湿性も高い「シルク」は吸い込んだ湿気を素早く蒸発するので、衣服中に余分な湿度が残らず、「ムレにくい」というメリットがあります。

  • ※吸水性とは、繊維製品が「液体」を吸収する能力で、衣類が汗を吸収する性質を指します。
  • ※吸湿性は、空気中の水分を吸収する性質で、いわゆる「ムレにくい」ものが吸湿性の高い衣類になります。

2 放湿性

コットンは吸水性に優れている反面、吸った水分をすぐに蒸発させられず、比較的乾きにくいというデメリットがあります。

その点、シルクの繊維は1/3が空気層で、この穴がまるで除湿機のように肌の汗を素速く吸いとり蒸発させるので、汗をかいてもすぐにサラサラと快適に過ごせるのです。

シルクの放湿性はコットンの約1.5倍とも言われています。
また、お洗濯後もコットンは乾くのに時間がかかりますが、シルクは比較的早く乾きます。

3 肌へのやさしさ

ふんわりと柔らかな「オーガニックコットン」も、もちろん肌にやさしい天然素材ですが、 タンパク質繊維の「シルク」は、人間の皮膚に必要不可欠なアミノ酸が18種類も含まれおり、人間の肌に一番近い天然繊維のため、肌なじみがよく、より肌にやさしい素材と言えます。

繭糸は人間の肌とほとんど同じタンパク質でできており、人間の肌との親和性が高いため
手術の時の縫い糸や、人工血管、医療製品、また食品などにも利用される貴重な原料です。

また、シルクは美肌効果が期待される成分「フィブロイン」を主成分とし、コラーゲンの主な成分となるアミノ酸がバランスよく含まれているため、保湿性が高く、乾燥から肌を潤してくれたり、なめらかな肌触りで肌への刺激が少ないのもメリットです。

そのため、シルクのほうがより肌にやさしい素材と言えます。

ただ、シルクなどの動物性繊維には稀にアレルギーをもっている方がいらっしゃるため、 肌に異変があった場合は着用をとめるようにしてください。日本アトピー協会の推薦をシルク商品がもらえないのはシルクアレルギーの方もいるためです。

シルク繊維の特性

4 お手入れのしやすさ

タンパク質繊維の「シルク」はアルカリに弱いため、お洗濯の際は中性洗剤を使うようにします。また、塩素系漂白剤には耐えられませんから使用できません。

シルクの中には洗濯機で洗濯可能なものもありますが、素材によっては手洗いやドライクリーニングオンリーなど、お手入れがしやすい素材とは言いにくいかもしれません。

一方、オーガニックコットンは天然素材の中でも水に強いため、お手入れしやすいメリットがあります。

また、シルクは紫外線を吸収するため、白物は黄変しやすいので、 お洗濯後も陰干しをし、日光や蛍光灯の当たらない場所へ保管する必要があります。
ただシルクが紫外線を吸収する性質のおかげで、身に着けると紫外線の肌への到達を90%以上カットするといわれ、天然のUVカット機能というメリットもあります。

お手入れの面では、圧倒的に「オーガニックコットン」のほうが扱いやすいと言えます。

5 耐久性

シルクは、デリケートな素材のため、摩擦に弱いというデメリットがあります。
一本一本の繊維が細いため、繰り返して着用し摩擦を受けるうちに、擦れて繊維の束がバラバラになっていきます。このため、毛羽立ちが起こったり、褪色したり、薄くなったりします。

また、シルクは色落ちしやすいというデメリットもあります。
種類にもよりますが、シルクは、美しい発色性がある一方で染色堅牢度(染色の丈夫さ)が弱い場合があります。
日光や摩擦、洗濯などによる色落ちに注意が必要です。

一方、天然繊維の中でも耐久性に優れたコットンは繰り返しお洗濯ができ、基本的には、シルクに比べて風合いが変わりにくいと言えます。

6 価格

「オーガニックコットン」は、一般的には「シルク」に比べて安価な傾向があります。

スーピマコットンなど高級コットンもありますが、一般的には「シルク」に比べると比較的安い価格のものが多いです。

「シルク」と「オーガニックコットン」それぞれの特徴を参考に、用途や好みにあった商品をお選びください。

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